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クリストファー コロンブスに会いに行く

次に紹介する偉人は、新世界を発見したことで知られる冒険家、クリストファー コロンブスです。コロンブスは西洋史に名を残す偉大な人物のひとり。ヨーロッパにアメリカ大陸を紹介したことで知られています。イタリアのジェノバ出身で、探検家であり、航海士でもあったコロンブスは、新航路開拓という夢を追って 1492 年にスペインにやって来ました。多くの人々に実現不可能な絵空事だと言われていたコロンブスの考えを、スペイン女王イサベル 1 世が支援。イサベル女王とコロンブスが、古い社会的慣習などの多くの困難に直面しながらも、この航海を実現させたことは、今考えても注目に値するといえるでしょう。財宝とスパイスを求め、たった 3 隻で東方へ向けて大西洋に乗り出したコロンブス。この偉大な冒険家に会いに行きましょう。

 

コロンブスの塔を向かって

コロンブスの塔

日暮ひぐれごろのコロンブス塔

コロンブスの塔

ガウディとは異なる情熱を見せるコロンブス。彼の計画に反対した人々は忘れ去られていますが、目標を達成しようとするその野心と原動力によって、コロンブスの名は今も多くの人々に記憶されています。ポルタル デ ラ パウ広場にある記念碑は、1888 年のバルセロナ万国博覧会の際に、アメリカとの交易を記念して建てられました。高さ 60 m の塔の上には、手を伸ばして海を指差すコロンブスの姿。新世界の発見に対するスペインの強い誇りを感じます。記念碑には展望台もあり、バルセロナの街と海を一望できます。コロンブスが眺めた大西洋をその目で確かめてみましょう。

 

ポートベイ港

ポートベイ港

ポートベイ港

夜のポートベイ港

ポートベイ港

クリストファー コロンブスは、新世界を発見したという素晴らしい知らせとともにポートベイ港に帰ってきました。ランブラス通りからポートベイ港へと散策してみましょう。港では、目の前に広がる地中海が好奇心を掻き立てます。ポートベイ港は、かつては商業の中心地でしたが、現在では憩いの場として市民が集まり、その眺めを楽しんでいます。整然と係留されているヨットを眺めたり、波のようなオブジェが特徴の橋 “海のランブラス” を散歩すれば、地中海をもっと身近に感じるこことができます。座って穏やかな海を見ていると、あっという間に時間が過ぎます。静かに座ってコーヒーを飲みながら、目の前に広がる海を眺めてみるのもおすすめ。海のそばにあるテラス付きのレストランで、遥か遠くまで広がる地中海を眺めながら、パエリヤやワインを楽しめば、ほかでは味わえない最高の思い出に。料理の美味しさと静かに波打つ海の美しさに酔いしれるひとときを過ごせます。時間があれば、昼も夜もポートベイ港を訪れてみましょう。日が暮れるころから港がライトアップされ、幻想的な雰囲気に包まれます。

 

アドバイス : ポートベイ港でおすすめスペイン料理ベスト 3

パエリヤ

パエリヤ

パエリヤは米を使ったスペインの伝統料理です。肉や魚介類、野菜を混ぜ合わせて熱したフライパンで炒めた後、水を加えて沸騰させてから米を入れて炊き上げます。

 

タパス

タパス

さまざまなフィンガーフードが楽しめる前菜。オリーブやチーズの盛り合わせ、魚介類などのフライ料理があり、ワインを片手に軽く食事をするのにぴったりです。

 

チュロス

チュロス

スペインの伝統的な棒状の揚げ菓子。砂糖、シナモン、チョコレートパウダーをまぶして食べます。

 

王の広場

副王の館の中庭

王の広場

ポートベイ港に着いたコロンブスが最初に向かったのが、この王の広場です。三方を壁に囲まれた広場の角には、14 段の石段があり、コロンブスは、この階段を上って、最大の後援者であったイサベル女王に謁見し、新大陸発見の知らせを伝えました。この話は、寂寥とした広場の歴史に光を当てるエピソードのひとつとして知られています。中央の建築物は、アラゴン王でもあるバルセロナ伯の宮殿。その両隣には、アラゴン家の史料館である副王の館とサンタ アガタ礼拝堂があります。現在、王の広場は市民の憩いの場であり、若いアーティストたちのパフォーマンスも見ることができます。この広場には、コロンブスのストーリーのほかにも、秘話がいくつかあります。まずは、広場の角にある小さな窓を覗いてみましょう。この窓の向こう側には、煉瓦のような石を積み上げた壁が見えます。この壁は 1 世紀にローマ人によって造られたものです。また、王の広場の左側にある副王の館には、イスラム様式の庭があり、過去にスペインがイスラム教徒の侵略を何度も受けたことの名残といわれています。ほかにも、重々しい独特の雰囲気から、映画 “パフューム ある人殺しの物語” のロケ地にもなりました。

 

パブロ ルイス ピカソに会いに行く

最後にご紹介する偉人は、20 世紀が生んだ偉大な近代画家、パブロ ピカソです。スペイン南部の港湾都市マラガ出身で、その作品からは、バルセロナに深く根付いた自由と情熱が伝わってきます。ここバルセロナに来れば、いたる所に若き日のピカソの足跡を見つけることができます。友人たちと過ごした芸術家たちのたまり場、独特な世界観が感じられる作品など、バルセロナでしか体験できないピカソの世界を堪能しましょう。

 

ピカソ美術館

最初に訪れたいのはムンカダ通りにあるピカソ美術館です。ここでは初期の作品を鑑賞することができます。この通りには、若き日のピカソが通った美術学校があり、友人であり秘書でもあったジャウメ サバルテスが 1963 年に美術館を設立。ムンカダ通りには中世の建築物が数多く立ち並び、その一角に建つピカソ美術館はついつい見逃してしまいがちなので、事前に場所を確認しておきましょう。13 歳でバルセロナに移住したピカソは、この街で芸術的才能と情熱を開花させました。初期の作品である “科学と慈愛” と “初聖体拝領” からは、バルセロナの街で芸術を学んでいた若きピカソの才能を感じることができます。

 

ランブラス通り

ランブラス通りのピカソ絵

ランブラス通り

ランブラス通り

ピカソの魅力にもっと触れたければ、ランブラス通りに訪れてみましょう。ポートベイ港まで続くこの通りは、バルセロナで有数の観光地として知られています。多くのショップやレストランが軒を並べ、ほかの通りと変わりないように見えますが、バルセロナの芸術的中心部として最も注目を集め、あらゆる時代の芸術家たちが注いだ情熱を感じられる場所です。また、ジョアン ミロが手がけた大きなモザイクが歩道に埋め込まれていることでも知られ、巨匠たちの魂が感じられる通りには、今も多くのストリート パフォーマーや画家たちが集まり、多くのバルセロナ市民や旅行者たちを楽しませてくれています。ベンチに座ってゆっくりしてみましょう。緑豊かな街路樹、人々の行きかう姿、色とりどりの果物や花がいっぱいに並んだ露店など、バルセロナ市民の日常の風景を見ることができます。日が沈むと、昼間とは全く違う姿を見せるランブラス通り。まるで異なる雰囲気の曲を奏でるような違いがあり、昼は暖かい太陽の光と新鮮な花の香りが奏でる快活なワルツ、夜は物悲しさを漂わせるロマンチックなソナタが聴こえてくるかのようです。

 

アルスクアトラガッツの看板

アルスクアトラガッツ内部

アルスクアトラガッツに飾られたピカソの絵

アルス クアトラ ガッツ

ピカソがメニューの表紙を描いたことで知られるこのカフェは、ランブラス通りから歩いて 10 分ほどの場所にあります。アンティークな雰囲気の魅力的なアルス クアトラ ガッツは、1897 年にオープンし、当時は、新進気鋭の若い芸術家たちが集まる人気の場所でした。この店のために、ピカソは青いコートを着た紳士をメニューの表紙として描いています。パリの有名なキャバレー “ル シャ ノワール (黒猫)” を手本に誕生したカフェの名称 “アルス クアトラ ガッツ (四匹の猫)” は、“ごく少数の人” を意味するカタルーニャ語の口語表現であり、4 人で始めたことに由来しています。ピカソやダリなど、有名な芸術家たちが通い詰めていた場所であり、ピカソがバルセロナで初の個展を開いた場所でもあります。1903 年に一度閉店し、1981 年にピカソの生誕 100 周年を記念して再開。かつての芸術家たちの魂が今も脈々と受け継がれるこのカフェでは、若手アーティストの創造的な作品が店の壁に飾られ、コレクターたちの目を楽しませています。

アルス クアトラ ガッツを後にし、夕暮れ時の街へ。小さな街灯に照らされる通りで、偉人たちからのメッセージを心に刻みながら、バルセロナで体験した数々の魅力に思いを巡らせてみましょう。

照りつける日差しに光り輝くバルセロナのような彼らの生き方は、日常に追われる生活の中で、熱意と情熱に満ちた生き方を見つけるヒントとなるでしょう。ひたむきに夢を追い続けたガウディ、強い決断力を持って自分が信じたことを実現したコロンブス、そして優れた洞察力で限界に挑戦し続けたピカソ。永遠の情熱の街、バルセロナ。偉人たちの挑戦と冒険をたどる旅は終わっても、彼らが示してくれた生き方は、新たな人生の旅へと導いてくれるでしょう。

 

文 / 写真 Soohwan Kim

rucca0898@gmail.com

写真提供 : 123rf.com

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