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バルセロナの全景

偉人たちの足跡をたどる旅

日々の生活の中で、ふと心に思い浮かぶ憧れの街。現実を忘れさせてくれるオアシスのような夢の旅行先が誰にでもあるはずです。今回は、太陽の日差しが降り注ぎ、豊かな地中海を臨む至福の地、バルセロナをご紹介します。

芸術と情熱の街、バルセロナ。ガウディ、コロンブス、ピカソが残した足跡をたどってみましょう。バルセロナといえば、新鮮な魚介類と美しい景色が有名ですが、この街の随所で触れることができる偉人たちの足跡は、バルセロナの旅をさらに魅力あふれるものにしてくれます。ガウディの尽きることのない情熱は、今も人々に引き継がれています。また、コロンブスは、その冒険心で世界の果てを目指し、新世界を発見しました。そして、ピカソは、その大胆さによって、人生の最後の瞬間まで新しいことに挑戦し続けました。この 3 人の偉人たちが残した足跡をたどりながら、心の奥底に眠る情熱が目覚めるのを感じることができる旅のはじまりです。
旅の終わりには、その魅力の多さに離れ難くなるはずです。誰もが魅了されるバルセロナへの旅。早速、出かけてみましょう。

 

おすすめプラン

1 日目 アントニ ガウディ イ コルネットの足跡をたどる旅

サグラダ ファミリア – カサ バトリョ – カサ ミラ – グエル公園

2 日目 クリストファー コロンブスとパブロ ピカソの足跡をたどる旅

コロンブスの塔 – ポートベイ港 – 王の広場 – ピカソ美術館 – ランブラス通り – アルス クアトラ ガッツ

 

20 世紀の天才建築家アントニ ガウディに会いに行く。

アントニ ガウディ イ コルネット

バルセロナの街へと最初に導いてくれたのは、スペインの建築家として名高いアントニ ガウディ。その作品の多くには、空、雲、風といった自然からのインスピレーションが取り入れられています。ガウディが手掛けた建築物は、独特な曲線が印象的。これらの建物が織りなす街並みは、バルセロナ以外、世界中のどこに行っても見ることはできません。この偉大な建築家は、1852 年にタラゴナ県レウス市で生まれました。その比類ない、独特かつ洗練されたデザインで知られるガウディの作品は、一度見たら決して忘れることはできないでしょう。朝日に輝く色鮮やかなタイル装飾を初めて見たとき、その美しさに感動し、しばらくの間、その光景が目に焼き付いていたことを、今でもはっきりと覚えています。

サグラダファミリア外見

サグラダファミリア外見の一部

サグラダファミリア内部

サグラダファミリア内部の照明飾り

サグラダ ファミリア(聖家族贖罪教会)

サグラダ ファミリアの建設にガウディが着手したのは 1884 年のこと。いくつもの尖塔が空に向かってそびえ、精巧な彫刻が人目を引く外観は、まさに息をのむ美しさ。ガウディの情熱と献身な精神は、“聖家族教会” と呼ばれるこの荘厳な聖堂に今も生き続けています。

現在も建設中の聖堂は、着工から 144 年目となる 2026 年に完成が予定されています。ガウディは生前、自分がこの聖堂の完成を目にすることはできないと予期していたにもかかわらず、決して屈することなく、人生の最後の瞬間までこのサグラダ ファミリアに全財産と情熱を注ぎ込みました。ガウディの絶え間ない努力と消えることのない情熱に正面から向き合ったとき、何とも言えない熱い感情が沸きあがってきたのを今でも覚えています。

この独特な聖堂の美しさは、まさに必見。3 つのファサードと 12 本の尖塔が実に見事です。ファサードの彫刻と彫像には、それぞれにストーリーがあり、東側の “キリストの降誕ファサード” はキリストの誕生を祝い、西側の “受難のファサード” は十字架にかけられたイエス キリストを描き、そして正面の “栄光のファサード” は、神の栄光を讃えています。この 3 つのファサードには、尖塔が 4 本ずつあり、キリストの 12 使徒を表しているとされています。

聖堂の中に入ると、サグラダ ファミリアのもうひとつの顔が迎えてくれます。外観と印象の異なる聖堂内には、不思議の国のような別世界が広がります。白で統一された壁、松の木のようにそびえる柱、星のような装飾が一面に広がる天井は、時の経つのを忘れるほどの美しさ。サグラダ ファミリアの内部を色鮮やかに照らし出すステンドグラスも必見です。オルガンの音色が響き渡る瞬間、十字架の後ろから放たれる美しい輝きに、心の底から興奮を覚え、畏敬の念を抱くほどの感動がこみ上げてきます。

アドバイス : 東側と正面にはエレベーターがあり、高さ 25 m の塔に上ることができます。バルセロナの壮大な眺めを一望しながら、ガウディの魂を感じてみましょう。エレベーター チケットは、入場券とセットで購入できます。

 

カサバトリョの外見

カサ バトリョ (バトリョ邸)

ガウディが手掛けた建物には、一般の住宅もあります。グラシア通りにあるカサ バトリョもそのひとつ。海の波を思わせる外観が美しい建物です。繊維業を営んでいたバトリョのために建築されたこの邸宅は、生き物のようなデザインが特徴的。人目を引くバルコニーの装飾が骨のように見えることから、“骨の家” とも呼ばれています。壁には、円形の白いセラミックや虹色に輝く色ガラスが埋め込まれ、焼けつくような日差しがモザイク装飾の美しさをさらに引き立てます。太陽の光が燦々と降り注ぐ昼間は、目を開けていられないほどの輝きになることも。建物内は青いタイルで埋め尽くされ、まるで海の中にいるような気分にさせてくれます。

 

カサミラ

カサミラの全体

カサミラの内部

カサミラの内部

カサミラの内部

カサ ミラ (ミラ邸)

カサ バトリョの反対側に建つカサ ミラもガウディが手掛けた代表的作。個人の住宅として設計されたこの建物は、1984 年にユネスコの世界遺産に登録されました。この集合住宅は、うねりのある屋上が特徴的。連なる山のように見える屋上部分には、独特な形をした煙突などが立ち並び、近くで見学することもできます。

建物の中心部分には、緑が美しい小さな中庭が 2 つあり、“構造は自然から学ばなければならない” というガウディの信念が伝わってきます。建物内は、美しく装飾された居間、寝室、キッチンがあり、スペインのかつての生活を垣間見ることができます。インテリア好きなら、普段の生活では目にすることのない魅力あふれる内装を見ながらアイディアを膨らませてみましょう。屋上に建ち並ぶ独特な形の煙突や階段室も必見。すべてガウディがデザインしたものです。風食した巨大な岩が並ぶ山のようなこの屋上。“ガウディの山” に登っている気分になります。

 

グエル公園

グエル公園のマスコット、タイル張りのトカゲ

グエル公園

グエル公園

座り心地のよいベンチ

グエル公園の入り口近く

グエル公園

グエル公園

グエル公園

ガウディの足跡をたどり、その魅力に引き寄せられるように旅を続けていくと、バルセロナの端にある美しいグエル公園へと辿り着きます。地中海を一望できる美しい眺めが人気の公園。観光客にもバルセロナ市民にも愛されています。グエル公園はもともと、分譲住宅地として設計されました。理想の住宅地を実現するために、ガウディの生涯の友であったエウゼビ グエルの依頼により、イギリス式の庭園付き住宅を手本にして、ガウディが設計。その後、1922 年にバルセロナ市が買い取り、市民の憩いの場として生まれ変わりました。

公園に入ると、上部がマッシュルームのように広がった柱や、波型のベンチがあり、ガウディならではのデザインが随所に見られます。公園の入り口近くには、おとぎ話に出てくるお菓子の家のような門衛小屋や東屋があり、メイン階段の手すりにいるタイル貼りのトカゲは、今にも動き出しそうな姿で人気を集めています。ほかでは見ることのできないこの楽しい風景は、まさに芸術といえるものばかり。創造的なデザインと色鮮やかな装飾のほかにも、公園の中央からは、バルセロナ市街の眺めを満喫でき、サグラダ ファミリアの尖塔や地中海へと続く街の景色を見ていると、疲れが一瞬で消え去るようにさえ感じられます。