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台北とその周辺

赤いちょうちんの街、九份

九份は、宮崎 駿が製作したスタジオ ジブリの名作「千と千尋の神隠し」の街のモデルだと言われています。2001 年に公開された「千と千尋の神隠し」は世界中で大ヒット。今でもその人気は衰えません。途切れない映画の人気に伴い、小さな街、九份にジブリ ファンの注目が集まり、台湾を旅行する人が増えています。

ジブリと九份、一見何も関係ないようなこの 2 つには、どんな関係があるのでしょう? ここで、映画の内容を振り返ってみましょう。両親が豚に変身してしまい、それを見て怖くなった千尋は走ってその場から離れます。千尋が逃げ走る道には、何百という赤いちょうちんがぶら下がっています。赤いちょうちんは、神様の行く銭湯が営業中であるという印でした。どうですか、思い出しましたか? この赤いちょうちんが「千と千尋の神隠し」と九份の接点なのです。

九份のちょうちんのどこに、国際的芸術作品の着想につながるような魅力があるのでしょうか? 赤いちょうちんは一日中、街中にぶら下がっていますが、夜に行けばちょうちんの魔法を感じることができます。昼間は台北とその郊外を観光して、夜、九份の通りを歩くことをおすすめします。空が暗くなるに連れ、九份の赤い光はだんだん強くなり、街中が光に包まれます。

九份

おすすめ旅行コース

台湾のツアーには野柳、十分、金瓜石、九份がコースに組み込まれているものがあります。ちょうど良いツアーがあったら申し込みましょう。

自分で観光する場合は、台北を朝早く出て、近隣地域を回りましょう。九份に直接向かうも良し、台北の中心部を観光してから九份に向かうも良し。自由時間がたくさんあるなら、九份を 1 日かけて回ることもできます。時間がなければ、昼間は台北を観光し、夜、九份に行きましょう。ご都合に合わせて予定を立ててください。ここでおすすめのコースを紹介します。

おすすめの旅行コース

1) 台北駅

2-1) 周辺 : 野柳地質公園 → 金瓜石

2-2) 台北中心部 : 台北市立動物園 → 猫空 → 指南宮

3) 周辺: 九份

4) 台北中心部 : 鼎泰豊 – 高記 – 馬辣 → アイス モンスター → 佳徳 → 台北 101 → 象山

MRTの各駅の記念スタンプ

+ ヒント

MRT (台湾の地下鉄) の各駅には、記念スタンプが置かれています。スタンプを集めましょう。駅の中にありますので、気をつけて探してみてください。

台北駅 (台北車站)

夜の九份で魅惑の赤いちょうちんを見る旅に出発します。まずは台北の郊外まで 1 時間ほどの旅です。

台北駅は、市の中心となる交通の拠点で、たくさんのバスが出ています。台北西バス ステーションのターミナル A から Z3 のバスに乗ります。

野柳地質公園

野柳地質公園

台北駅から野柳へは約 1 時間。窓から外を見ていると、あっという間に着いてしまします。バスを降りて、港に沿って 15 ~ 20 分歩いて行くと、野柳地質公園に着きます。野柳地質公園は、世界でも 5 つしかない海中公園の 1 つで、神秘的な自然の美しさを体験できます。人が作ったわけではない不思議な形の岩に、自然の脅威を感じることでしょう。珍しい形の石や岩を見ていると、時間を忘れてしまいます。この珍しい形の岩はいつ崩れ落ちてしまうか分かりませんので、今のうちによく見ておきましょう。

野柳地質公園

一番有名なのは「女王頭」と名付けられた岩で、エジプトの女王の頭のような形をしています。写真を撮るには順番待ちが必要なくらいの盛況ぶり。写真を撮るアングルからしか頭の形に見えませんので、写真は撮らなくても、ぜひそのアングルから岩を見てください。

野柳地質公園は海岸沿いにあります。晴れた日に行けば、海の素晴らしい景色が見られます。台湾で一番好きな観光スポットはどこかと台湾人に聞くと、多くの人が、神秘的で美しい景色が見られる野柳地質公園だと答えるそうです。

金瓜石

九份へ行くことを決めたなら、近くの金瓜石に寄りましょう。野柳地質公園から金瓜石に直接行くバスはないため、乗り換えが 1 回必要です。乗り換えが難しいようなら、タクシーで行くこともできます。時間決めでタクシーを借りると、野柳から金瓜石、金瓜石から九份までの時間を短縮することができますが、費用はずっと高くなります。お財布と相談して決めましょう。でも、バスに乗るのは難しくありませんので、自由時間が十分にあるようでしたら、タクシーに乗る必要はないと思います。

金瓜石

九份も金瓜石も昔、鉱業の街でした。金瓜石では、観光地として古い鉱山が復元されています。黄金博物館では、世界で一番大きな金塊に実際に触ることができます。金瓜石では、”鉱夫の弁当” を食べてみましょう。この弁当は、金の採掘が行われていた頃に鉱夫が実際に食べていた弁当を、遊び心で販売しているものです。特別変わったものではありませんが、食べると、映画「国際市場で逢いましょう」の鉱山の場面を思い出します。食べ終わったあとの弁当箱は、お土産にもなります。

金瓜石

金塊

九份に行く前に、観光地をいくつも回る自信がない方や郊外に行きたくない方は、昼間は台北の中心部で過ごすのもおすすめ。台北にも楽しいスポットがたくさんあります。九份行きのバスは忠孝復興駅から出ています。忠孝復興駅の近くにある見どころは、猫空と台北市立動物園です。どちらか 1 つに行けばゆったりと過ごせますし、猫空と台北市立動物園はそんなに離れていないので、急いで回れば両方回ることもできます。

台北市立動物園 (臺北市立動物園)

台北市立動物園 (臺北市立動物園)

台北市立動物園 (臺北市立動物園)

台北市立動物園はアジアで最大の動物園です。元々人気の動物園ですが、最近パンダの子どもが生まれて、さらに人気が高くなっています。パンダの人気は高く、ここを訪れる人は、動物園に来ているのか、パンダ ハウスに来ているのか、分からないくらいです。入口のところで、パンダ ハウスへの入場時間が書かれた青い紙を渡されます。これは、待ち時間をできるだけ短縮するために行われています。

場合によっては、その時間以外でも従業員の裁量で入れてもらえることもあります。しかし、その紙がないと入れてもらえませんので、無くさないようにしましょう。また、パンダ ハウスを一旦出ると、戻ることはできません。最初にパンダ ハウスの場所を確認して、入場時間まで他の動物を見て過ごすのがおすすめです。とても大きな動物園です。歩くのに疲れたら、ミニ トレインに乗りましょう。

台北市立動物園

台北市立動物園

猫空 (貓空)

猫空地区には、台北市立動物園の西部からロープウェイで行くことができます。台湾で一番長いロープウェイで、駅は”動物園 – 動物園内 – 指南宮 – 猫空” の 4 つです。

猫空 (貓空)

また、ここのゴンドラには、普通のゴンドラと足元がガラスになったクリスタル ゴンドラの 2 種類があります。香港の昂坪 360 にも、クリスタル ゴンドラがありますが、普通のゴンドラより価格が高くなっています。しかし、台湾ではどちらも同じ価格で乗れます。クリスタルに乗らない手はありません。

ケーブルカー

クリスタル ゴンドラ

最初は怖いと思うかもしれませんが、しばらくすると慣れるので大丈夫。猫空までは 30 分の旅です。猫空で降りたら、静かに過ごすのか、活動的に過ごすのか決めましょう。

お茶で有名な猫空茶屋でお茶を飲むのも良し、台北で降りて 40 分のハイキングをするのも良し。1 人で猫空を楽しむなら、お茶がおすすめです。入口辺りからお茶屋さんはありますが、進んでいくとお茶屋さんが増えていきます。おすすめは「龍門客棧」です。そこからの景色も良いし、お茶の葉が入った炒飯も最高です。

お茶の葉が入った炒飯

ハイキングをするなら、最初に猫空インフォメーション センターに寄って、地図を手に入れることをおすすめします。少しだけ散策して降りるのも良し、指南宮まで歩いて観光し、指南宮駅からロープウェイに乗るのも良し。

昼間の猫空も良いですが、夜の猫空は本当に素晴らしいです。暗くなってからケーブルカーで登り、お茶を飲みながら、街のきれいな夜景を見てはどうでしょう? 考えただけでもロマンチックな気持ちになります。

ケーブルカーから見た風景

指南宮

猫空から指南宮までハイキングをしながら下りる予定がない方には、ケーブルカーの往復パス (NTD 100) の購入をおすすめします。また、片道チケット (NTD 50) を買って、動物園から指南宮まで行く、または動物園から直接猫空に行くという選択肢もあります。往復パスを購入すれば、指南宮で降りて、観光することもできます。

指南宮

指南宮は唐王朝から続く道教のお寺で、仙人の呂洞賓が祀られています。外見はとてもカラフルで、内部もそれに輪をかけてきれいです。信じるかどうかはあなた次第ですが、カップルでここを訪れると、呂洞賓が嫉妬して、そのカップルは別れると言われています。

九份

九份は、台湾北部にある新北市の小さな村で、映画「千と千尋の神隠し」のモデルだとも言われています。昔は家が 9 戸しかなく、食料等を他の街から購入するときは必ず 9 戸分取り寄せました。この伝統から「9 等分する」という意味で九份が村のニックネームになり、現在も使われています。

ここにはかつて金鉱山がありましたが、20 世紀の終わりに金鉱石が尽きてしまったため、次第に衰退していきました。鉱業が盛んだった頃のなごりがたくさん、それも昔のまま残っています。また、街じゅうにある小さな彫刻を見るのも楽しいです。

1062 番のバスで九份に着くと、コンビニが見えてきます。その右側の小さな道が九份の旅のスタート地点。道を進んでいくと、刺激臭がしてきます。世界の 7 大臭い食べ物のうちの 1 つ、臭豆腐の臭いです。臭いはきついですが、食べてみると意外と美味しいです。

九份

さらに進んでいくと、レストランや店が並ぶ九份老街に出ます。ここからは、街の景色や音を感じながらゆっくりと歩いて行きましょう。頭上に赤いちょうちんが見えてきたら、九份の写真といえばここというくらい有名な豎崎路に到着です。

九份老街

九份老街

九份は、「千と千尋の神隠し」で取り上げられる前にも、台湾映画「非情城市」で主要ロケ地として使われました。階段に従って豎崎路を下りて行くと、昇平戯院があり、「非情城市」を上映しています。この劇場はまだ金鉱山があった 1927 年に建てられ、当時としては 1 番大きな劇場でした。一度壊されましたが、再建され、営業が再開されました。映写機、スクリーン、座席までが昔のまま保存されています。まるで、タイム マシーンで昔の世界に来たようです。入場は無料ですので、タイミングが合えば、ぜひ入って映画を見てみましょう。こんな特別な場所で映画を見たら、素敵な思い出になること間違いなし。

豎崎路の近くには、「非情城市」という映画にちなんだ名前のカフェもありますが、こちらは映画のロケ地とは関係ありません。一方、「非情城市」のロケ地であり、そこからの風景が「千と千尋の神隠し」の背景にもなっているというのが阿妹茶酒館というカフェです。

九份老街

豎崎路の近くには、「非情城市」という映画にちなんだ名前のカフェもありますが、こちらは映画のロケ地とは関係ありません。一方、「非情城市」のロケ地であり、そこからの風景が「千と千尋の神隠し」の背景にもなっているというのが阿妹茶酒館というカフェです。

九份の夜景

台北で宿泊される方は、帰路を急ぎましょう。九份からのバスは台北の忠孝復興駅に到着します。台北に着いた頃には、お腹が空いているのではないでしょうか。九份老街で売られている食べ物は、軽食という感じなので、お腹が満たされないかもしれません。一方、忠孝復興には美味しいレストランがたくさんあるので、こちらで食事をすると良いでしょう。

鼎泰豊

最初に紹介するレストランは鼎泰豊です。鼎泰豊は世界 11 か国に全部で 106 店あります。日本でも展開していますが、本当の良さを堪能するためにはやはり本場が一番です。本店は永康街にありますが、台湾のどの店舗もいつも観光客で賑わっています。人気メニューは、シュウマイ、小籠包、牛肉麺。英語メニューもあります。Web サイトで予約してから行くのがおすすめです。

鼎泰豊小籠包

鼎泰豊牛肉麺

高記

次に紹介するのは点心専門店です。鼎泰豊はどちらかというと地元の人や日本人に人気がありますが、高記は外国旅行者全般に人気があります。また、鼎泰豊は世界中にありますが、高記は永康街駅、中山駅、忠孝復興駅、市政府駅にしかありません。点心が好きな方なら、日替わりで鼎泰豊か高記のどちらかに行って、食べ比べるというのも面白いと思います。九份からバスで忠孝復興まで帰って来たとしたら、バス停のすぐそばに高記があるので、大変便利です。

高記

高記

高記

馬辣

点心があまりお好きでない方は、火鍋なんてどうでしょう? 火鍋は台湾を代表する料理で、しゃぶしゃぶとも呼ばれます。馬辣の火鍋はなんと食べ放題になっています。英語のメニューも用意されていて、ドリンクはセルフ サービス。ハーゲンダッツのアイスクリームも食べ放題で、女子にはうれしいサービスです。しかし、2 時間という時間制限がありますのでご注意ください。

また、1 名では火鍋を注文できないため、1 人旅の方には向きません。別のカフェ等に行くことをおすすめします。大勢で火鍋を食べると美味しさが倍増するので、ぜひグループで行きましょう。忠孝復興にある馬辣は、1062 番のバス停近くにある赤い看板が目印です。

アイス モンスター

忠孝復興と国父紀念館の間にある道路は、美味しいレストランがあることで有名です。おススメしたいところはたくさんありますが、その中で 1 店だけ紹介するとしたら、マンゴー アイス フレーク デザートで有名なアイス モンスター。以前からずっと有名ですが、韓国ドラマ「花より男子」で使われたため、ますます有名になりました。アイス モンスターは、忠孝敦化駅から歩いてすぐのところにあります。忠孝敦化は忠孝復興の次の駅です。マンゴーが嫌いな方にはおすすめしませんが、マンゴーフレーバーのドリンクが嫌いでマンゴーはそんなに食べたことがないという方には、ぜひ行っていただきたいと思います。というのは、新鮮なマンゴーとマンゴー ジュースは全然違うから。マンゴー ドリンクが嫌いでも、アイス モンスターのマンゴーを食べたら、たちまちマンゴーの大ファンになります。

代表的なメニューは “フレッシュ マンゴー センセーション”。価格は季節によって異なり、夏は NTD 220、冬は NTD 250 です。1 人最低 NTD 110 必要です。つまり、1 つ注文して 2 人で分けても良いということ。でも、1 つ注文して 3 人で分けることはできませんので、ご注意ください。

アイス モンスター

佳徳 (佳德)

美味しい料理とデザートを食べたら、お茶とパイナップル ケーキでリラックスしましょう。パイナップル ケーキで一番有名なのは、国父紀念館近くにある佳徳です。パイナップル ケーキは台湾の定番のデザートで、お土産にも最適です。伝統的なのはパイナップル ケーキですが、いちご味のものやクランベリー味のものもあります。ちょっと立ち寄って、友だちや家族へのお土産を買ってはどうでしょう? パイナップル ケーキは、多くの人がお土産として買っていく人気の商品です。

佳徳 (佳德)

佳徳 (佳德)

たくさんお土産を買ったら、楽しい気分でホテルに帰れるのではないでしょうか。台北最後の夜には、特別なロケーションできれいな街の夜景を見ましょう。

台北 101 (台北國際金融大樓) と象山

最初に紹介する展望スポットは 101 タワーです。正式な名前は「台北国際金融大楼」といいますが、普通は「台北 101」または「101 タワー」と呼ばれています。このタワーには、89 階の展望台と 90 階の屋外展望台があります。入場料は少し高額ですが、景色は想像以上にきれいです。次に紹介する展望スポットは象山。この象山は、台北で夜の地平線を見るのに最適な場所です。

台北 101 (台北國際金融大樓)

私たちとしては、101 タワーよりも象山をおすすめします。なぜかというと、101 タワーからは 101 タワーが見えないからです。エッフェル塔からの景色はきれいですが、塔からは美しいエッフェル塔が見えないのと同じですね。ここは山で、登る途中に展望スポットがいくつもあります。一番上まで行かず、好きなところで景色を見て帰ってくるということもできます。でも、そんなに高い山ではないので、一番上まで行ってもたいしたことはありません。飲水を用意して、ハイキング気分で象山に登りましょう。慌てると疲れてしまうので、ゆっくりと上がって行ってください。

もし、台湾旅行でどこに行こうか迷ったときは、ここ、象山をおすすめします。日中は猫空のティー ハウスでゆったりと自分だけの時間を過ごし、夜は象山から夜景を眺めるというのはどうでしょう。悩みや心配事もどこかに吹き飛んで、休日後はすっかりリフレッシュして、仕事や勉学に励むことができること間違いなし。

象山

旅の楽しみは 3 つあります。旅行の計画を立てること、実際に旅行をして見たり、聞いたり、やってみたりすること、旅行を終えてその思い出に浸ること。旅のワクワクは計画の段階からすでに始まっているのですね。思い出に残る良い旅ができるよう、計画をしっかり立てましょう。では、いってらっしゃい。